植物性たん白について

植物性たん白とは?

粉末状(大豆・小麦)

粒状(大豆・小麦)

ペースト状(小麦)

繊維状(大豆)

「植物性たん白」とは、食品業界では、大豆や小麦を原料として、それに含まれる「たん白質」を独自の製法により抽出し、主として、 食品の素材として使われるもののことです。現在製品として大豆系は粉末、粒状、繊維状、小麦系は粉末、粒状・ペースト状(冷凍品)があります。

植物性たん白には色々な物理的な機能があり、その特性を基に、次のような食品に使われています。

植物性たん白の機能と代表的な使用例

粉末状 ペースト状 粒状 繊維状 使用例
栄養強化 プロティンパウダー、菓子類、育児粉乳
脂肪分離防止
(乳化・抱脂性)
ソーセージ
結着・離水防止
(結着・保水性)
ハム
保型性向上
(結着性)
かまぼこ、ちくわ、プレスハム
食感改良
(組織形成性)
パン・麺、焼きふ、ころも
かみごたえ ハンバーグ、ミートボール、
餃子・シューマイ
痩せ
焼き縮み防止
ハンバーグ、メンチカツ

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植物性たん白の原料と製造方法

原料

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によれば、標準的な大豆には32~34%程度、小麦には8~13%程度のたん白質が含まれています。 植物性たん白は、大豆や小麦を原料としてそれに加工処理を施し、粉末状、ペースト状、粒状又は繊維状に成形したもので、たん白質の含有率が50%を超えるものです。
すなわち、大豆や小麦の食用植物種子に含まれるたん白質を近代的な製法により濃縮ないしは分離・抽出したものです。

製造方法

製造方法

1大豆たん白

大豆から大豆油を抽出分離した脱脂大豆が、大豆たん白の主原材料として一般的に広く利用されています。

  • (1)濃縮大豆たん白

    脱脂大豆の組成は、糖類、灰分、細胞壁などの繊維(オカラ)とたん白質です。
    アルコール洗浄法(含水エタノールに脱脂大豆を浸けて糖類と灰分を分離除去した後に、加熱によって残存したエタノールを除去)または酸洗浄法 (たん白の等電点となる酸性水で脱脂大豆を洗浄することにより大豆ホエー成分を溶解分離する方法)によって、 糖類や灰分を脱脂大豆から除去し大豆たん白質を濃縮加工したものです。

  • (2)分離大豆たん白

    脱脂大豆の組成であるたん白質、糖類と繊維(オカラ)のうち、たん白質だけを取り出したもので、多くは純度90%前後です。 脱脂大豆に水を加えて水溶性成分を抽出し、オカラを除いた脱脂豆乳に酸を加えることにより沈殿したたん白質を遠心分離により回収します。 これに再び水を加えてたん白質を溶解し、加熱殺菌を行った後、乾燥機で乾燥・粉末化します。

  • (3)粒状大豆たん白

    脱脂大豆などの原料を2軸エクストルーダーに投入し、スクリューで搬送して容器内部で混合・加熱溶融します。 その後、練り上げられた生地は開口部より吐出する際の圧力変化により膨化・組織化します。 必要によりカッターなどで粉砕され、乾燥後に整粒し製品となります。

  • (4)繊維状大豆たん白

    分離大豆たん白を水とともに高温・高圧で溶融状態にして、これを細いノズルから大気中に押し出して繊維状化します。

2小麦たん白

小麦粉に水を加えてミキシングした後、水洗を行うことで小麦澱粉と小麦たん白(グルテン)に分離します。
小麦粉中に含まれるたん白質は水を加えてミキシングをするとネットワーク構造を形成しドウを形成します。
この性質を利用して小麦粉から小麦たん白(グルテン)を抽出します。

  • (1)粉末状小麦たん白

    抽出した小麦グルテンをできるだけ加熱変性させずに乾燥した商品が粉末状小麦たん白となります。
    元の小麦グルテンのネットワーク形成能を有しているため、バイタルグルテンとも呼ばれます。
    乾燥方法は様々あり、フラッシュドライ法/スプレードライ法/凍結乾燥法/真空乾燥法などが存在します。

  • (2)ペースト状小麦たん白

    グルテンに、用途に応じて様々な添加物を加え、ニーダーでゆっくり練り上げペースト化します。
    グルテン特有の粘弾性を低減させたペースト状小麦たん白は、滑らかで混合性の良い性質をもっています。

  • (3)粒状小麦たん白

    グルテンに色素、食塩、その他の原料を均一に混合し、チョッパーで造粒します。
    このグルテン粒は相互にくっつき易いので、速やかに茹で槽で加熱して凝固させ、粒状化します。

植物性たん白の使いやすさ

  1. 幅広く食品に使用できます。
  2. 成分がはっきりしており、栄養計算が簡単です。
  3. 安全かつ衛生的で保存が簡単です。

植物性たん白の使用法

粉末状

(1)粉体のまま直接混ぜ合わせて使用できます。
(2)水、油を加えて攪拌し、乳化状にしても使用できます。
(植物性たん白、水、油の比率は、大豆系1:4:1、小麦系1:2:1の割合)

粒状(乾燥品)

挽肉等に直接加えたり、2~3倍の水又はスープ類で水戻しを行った後加え、混合使用できます。

ペースト状・粒状・繊維状(冷凍品)

そのまま又は解凍後ほぐして使用できます。

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パンフレット

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「植物性たん白の使い方」では、大豆たん白と小麦たん白の利用方法を紹介しています。

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