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「植物性たん白」とは、食品業界では、大豆や小麦を原料として、それに含まれる「蛋白質」を独自の製法により抽出し、主として、食品の素材として使われるものを言います。現在製品として大豆系は粉末、粒状、繊維状、小麦系は粉末、粒状・ペースト状(冷凍品)があります。 |
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粉末状 (大豆・小麦) |
粒状 (大豆・小麦) |
ペースト状 (小麦) |
繊維状 (大豆) |
植物性たん白には色々な物理的な機能があり、その特性を基に、次のような食品に使われています。
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【 植物性たん白の機能と代表的な使用例 】 |
〔表1〕 |
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粉末状 |
ペースト状 |
粒状 |
繊維状 |
使用例 |
栄養強化 |
○ |
- |
- |
- |
プロティンパウダー、菓子類、 育児粉乳 |
脂肪分離防止 (乳化・抱脂性) |
○ |
○ |
- |
○ |
ソーセージ |
結着・離水防止 (結着・保水性) |
○ |
- |
- |
- |
ハム |
保型性向上 (結着性) |
○ |
○ |
- |
- |
かまぼこ、ちくわ、プレスハム |
食感改良 (組織形成性) |
○ |
○ |
- |
- |
パン・麺、焼きふ、ころも |
かみごたえ |
- |
- |
○ |
- |
ハンバーグ、ミートボール、 餃子・シューマイ |
痩せ 焼き縮み防止 |
- |
- |
○ |
- |
ハンバーグ、メンチカツ |
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【 植物性たん白を摂取することで、栄養的・生理的に次のような効果が期待できます。】 |
1. |
植物性たん白は優れたたん白源であり、種々の動物性蛋白質と組み合わせることにより、理想的なアミノ酸バランスとなります。 |
2. |
植物性たん白自身は油脂をほとんど含まず、食品の油脂分を低く調整することができます。結果的に低脂肪、低カロリーの献立が実現できます。 |
3. |
植物性たん白は血清コレステロール値を低下させたり、正常に維持する作用があるといわれております。また、体脂肪蓄積の抑制等の研究報告があります。 |
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〔表2〕 |
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粉末状 |
粒状 |
ペースト状 |
大豆たん白 |
分離 大豆たん白 |
濃縮 大豆たん白 |
小麦たん白 |
大豆たん白 |
小麦たん白 |
小麦たん白 |
大豆たん白 |
蛋白質 (%) ( )中乾物あたり |
86.0 (90.5) |
64.0 (68.1) |
72.0 (77.0) |
55.1 (58.6) |
21.2 (77.1) |
25.3 (75.5) |
32.0 (91.4) |
水分 (%) |
5.0 |
6.0 |
6.5 |
6.0 |
72.5 |
66.5 |
65.0 |
脂質 (%) |
0.2 |
0.3 |
9.7 |
0.6 |
0.6 |
3.7 |
0 |
炭水 化物 |
糖質 (%) |
4.0 |
21.7 |
10.4 |
30.3 |
5.2 |
3.7 |
2.0 |
粗繊維(%) |
0.3 |
3.5 |
0.2 |
1.7 |
0 |
0 |
0 |
灰分 (%) |
4.5 |
4.5 |
1.2 |
6.3 |
0.5 |
0.8 |
1.0 |
無機質(mg/100g)
カルシウム リン 鉄 ナトリウム カリウム |
50 800 10 1400 300 |
450 820 12 5 1900 |
76 432 8 30 125 |
330 770 12 7 2500 |
27 98 3 27 11 |
25 153 3 196 46 |
30 230 4 274 120 |
※たん白換算係数は、大豆:6.25、小麦:5.70 |
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1. |
幅広く食品に使用できます。(表1参照) |
2. |
成分がはっきりしており、栄養計算が簡単です。(表2参照) |
3. |
安全かつ衛生的で保存が簡単です。 |
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粉末状 |
(1)粉体のまま直接混ぜ合わせて使用できます。
(2)水、油を加えて攪拌し、乳化状にしても使用できます。
(植物性たん白、水、油の比率は、
大豆系1:4:1、小麦系1:2:1の割合) |
粒状(乾燥品) |
挽肉等に直接加えたり、2〜3倍の水又はスープ類で水戻しを行った後加え、混合使用できます。 |
ペースト状・粒状・ 繊維状(冷凍品) |
そのまま又は解凍後ほぐして使用できます。 |
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